■Voice
-今までに個展を開いてもらった人たちから-
版画展
個展期間  H.16 10月7日(木)〜12日(火)

↑らせん階段日記

  私はこの素敵な画廊を、自分で探して見つけたわけではありません。ほんの偶然から個展をさせていただくことになったのですが、最初はオーナーの田口さんのお顔も知らず会場のギャラリーを見たことなかったのです。でも電話から伝わってくる田口さんの声の感じから、こういう人が作る空間はきっと素敵なものに違いないと思ったのです。それは初めて来たときに、角を曲がってこの家が見えた瞬間に「ああ、やっぱり」と納得することができました。おいしいお店がその看板からすでにおいしさを漂わせているように、心がくつろげる画廊は入り口のところからそういう空気をんがしているような気がします。

 一見、会場はコンパクトに見えますが、絵をかけてみるとなかなか収容力が高く天井が高いので息苦しいこともなく、ゆったりと疲れずにみることができるようです。二部屋あるのも展示に変化をつけるのに適していて、飾りつけをイメージするのもとても楽しいのです。そして着ていた
だくお客様にとっても、ほっとくつろぎやすい場所になるようです。ギャラリーにいらした見知らぬ人同士が秋の日差しの中で談笑している様子は、心に留めたい一枚の絵のようでした。

 ギャラリーというのは絵に対しての額縁のようなものだと思います。絵は額に入れて、作者の主観から離れて自立した作品として生き始めるような気がします。人がものを作るのは、
人生のある時期、あるものに集中した追跡を見て、自分を少しずつみつけていくことだと思います。

 その場所としてこのギャラリーをお借りできたことは、私にとっても忘れがたいものとなりました。そしてここで出会えた方々に感謝します。

   
                          H16 10月 衣川 史


横浜 貸しギャラリー レイオハナ